ごあいさつ

 

 

2001年10月の確定拠出年金法施行と同時に日本版401k(企業型DC)の導入が開始されました。しかしながら運営管理機関となった金融機関の収益化が難しく、導入先は従業員数の多い企業、いわゆる上場企業や大企業が中心でありました。

企業型DCの導入によって、企業主導で従業員への退職金・企業年金運用、生涯賃金設計等の金融リテラシー向上が進められましたが、導入は大企業中心とあってその数は限定的でした。

一方、中小企業白書によると、わが国の中小企業は、全企業の約99%を占めており、従業員数は全体の約70%を占めています。また、厚生年金保険の対象事業者についても、総事業所数約264万先のうち、5人未満の事業所数は約175万先であり全体の約66%を占めており、中小企業・小規模事業者(以下、「中小企業」という。)は、わが国のあらゆる施策に対して大きな影響力があります。

以上を踏まえますと、大きな影響力を持つ中小企業に企業型DCプランを導入することが、企業にとって福利厚生充実の手段となり得ると同時に、導入企業の従業員の方々の資産形成、老後資金不足の対策になり、ひいては政府が唱える「貯蓄から投資へ」の機運を高める重要な施策になり得ます。

私ども一般社団法人DC推進機構はこうした考えの下、1人から企業型DCが導入できる「誰でもDCプラン」導入のサポートを行うべく発足いたしました。今後様々な機会を通じて、企業型DC普及活動と導入のお手伝いを進めてまいります。

私どもの活動が、企業の皆様の福利厚生の充実に少しでもお役に立てれば幸甚でございます。

 

代表理事 小川 幸紀

 

 

 

これまでの企業型DCの導入は大企業中心となっておりました。

これは、少人数から採用可能な制度の不在及び周知の問題もありますが、大企業と中小企業・小規模事業者(以下、「中小企業」という。)の事務処理手続きへの対応余力の差異が少なからず影響していると考えています。

中小企業は限られた人材がマルチ・タスクにて日々の業務に対応しており、プラスアルファの事務負担を強いられるという惧れから、メリットをわかっていても、なかなか踏み込めないという点も大企業との差異としてあると考えます。

「誰でもDCプラン」では、一人から加入可能、会社及び従業員のメリット等の「良い面」があることはもちろん、一方で導入に際しての事務コスト負担という「手間の面」に対して、申請・導入支援という形で中小企業の導入のハードルを下げたこともこれまでの企業型DCと異なるものになります。

中小企業にとっては、人材は宝です。採用・雇用問題は事業の継続に大きく影響し、かつ、現在の中小企業の大きな課題にもなっています。「誰でもDCプラン」の導入によって福利厚生制度の充実がこの課題に対しての一助になればと考えています。

 

理事 武山 淳