企業型確定拠出年金 コラム①
今回は、退職・転職時の注意点についてご紹介させていただきます。
企業型確定拠出年金は従業員自らが運用し、老後の資金を積み立てる仕組みです。
しかし、資産を受け取る前に転職や退職をする人もいるでしょう。
中途退職をした場合、次の会社に企業型確定拠出年金を実施している場合は、今まで通り企業型確定拠出年金の加入者となれますが、それ以外の方は個人型のiDeCoに移換をし、拠出か運用をすることになっています。
現在、資産を移し忘れている人が急増しています。
退職をした月の翌月から6ヶ月以内に手続きをしなかった場合、資産は国民年金基金連合会に自動移換され、自動移換後は運用もされずに毎月52円の管理手数料が引かれ、資産が減少していきます。
また、自動移換されている期間は、加入期間とはみなされないので、老齢給付の受給要件を満たせず、受け取りが延期になる可能性があります。さらに、自動移換された資産はiDeCo、あるいは企業型確定拠出年金に資産を移してからでないと引き出すことができないという点も注意が必要です。
運営管理機関連絡協議会の確定拠出年金統計資料によると、2022年度末時点において、企業型確定拠出年金の加入者が805万人、総資産額は18.8兆円ですが、そのうち自動移換の対象者は1割強もいます。
転職や退職される場合は、自動移換にならないように移換手続きを行う様に注意する必要があります。
仮に自動移換された場合は以下の手続きが必要です。
自動移換後に行う手続きには4つの選択肢があります。
- iDeCoの加入者になる(iDeCoに資産を移換し、掛金を拠出する。)
- iDeCoの運用指図者になる(iDeCoに資産を移換し、掛金を拠出せずに運用のみを行う。)
- 脱退一時金を受け取る(※要件を満たした場合に限る。原則60歳まで引き出し不可)
- 勤務先の企業型確定拠出年金に移換する。