コラム⑥ 令和7年度税制改正の大綱について

今回は、令和7年度税制改正の大綱の確定拠出年金に関する内容についてご紹介させていただきます。

 

2024年12月に令和7年度税制改正の大綱が閣議決定されました。今回はその内容から確定拠出年金に関する内容を抜粋し、ご紹介したいと思います。

 

確定拠出年金に関する制度内容の変更は主に「極度限度額の引き上げ」「個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢の引き上げ」「企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出の規制緩和」の3つです。

 

「極度限度額の引き上げ」

今回の改正で企業型DC・iDeCoどちらの制度においても掛金の上限額が引き上げられる予定です。

 

・企業型DCの拠出限度額

月額55,000円から月額62,000円に引き上げられます。

※確定給付年金(DB)併用の場合は「62,000円-DBの他制度掛金相当額」が限度額、iDeCo併用の場合は「62,000円-iDeCoの掛金」が限度額となります。

 

・iDeCoの拠出限度額

会社員・公務員の場合

月額23,000円から月額62,000円に引き上げられます。

※企業型DC併用の場合は「62,000円-企業型DC掛金」が限度額、DB併用の場合は「62,000円-DBの他制度掛金相当額」が限度額となります。

 

自営業者(第1号被保険者)の場合

月額68,000円から月額75,000円に引き上げられます。

 

「個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢の引き上げ」

今回の改正でiDeCoの加入可能年齢が65歳未満から70歳未満に引き上げられます。

 

 

「企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出の規制緩和」

今回の改正でマッチング拠出の規制が緩和されます。これまでのマッチング拠出制度では加入者掛金の上限は事業主掛金の金額までとなっていましたが、今回の改正で事業主掛金を上回る金額を拠出することが可能になります。※拠出限度額は合計62,000円

 

 

 

これらの改正はいずれも事業主・従業員にとって有利なものになります。確定拠出年金制度は年々改正されており、政府は確定拠出年金制度を老後の資産形成において重要な役割と位置付けています。

今後も制度改正の情報を定期的に発信していきたいと思います。尚、最終的にはこれから制定される法令に基づいて決定されるため、現時点では未確定である点に関してはご留意ください。

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