コラム⑪ DBからDCへ――年金制度を“守る”から“育てる”へ
皆さま、こんにちは。第11回目のコラムとなります。今回は、企業年金の制度の変遷について、「確定給付型(DB)から確定拠出型(DC)への移行」というテーマでお話しします。
企業年金は長年にわたり、従業員の老後を支える重要な仕組みとして機能してきました。その中心にあったのは、将来の給付額を企業が保証する「確定給付型年金(DB)」です。DBは従業員に「将来の年金額が保証される」という大きな安心感をもたらします。しかし一方で、企業は将来の給付責任を負うため、財務リスクを抱え続けなければなりません。不足分が生じた場合、企業がその穴埋めをしなければならないからです。つまり、DBは安定の反面、企業にとっては環境変化に耐える重い負担でもあったのです。
こうした背景から、企業年金のあり方は「守る」だけの時代から、「育てる」時代へと大きく変わろうとしています。その変化の中心にあるのが「企業型確定拠出年金(企業型DC)」です。企業型DCは企業が掛金を拠出し、従業員が自らの責任と裁量で運用する制度です。企業は将来の給付額を保証する必要がなく、その分財務リスクを大幅に軽減できます。従業員にとっては、自分で資産を「育てる」ことによって、長期投資の知識や意識を高める機会となります。このように、制度の目的が「約束の履行」から「成長の設計」へと移ることで、企業と個人の役割分担が持続可能な形に再設計されたのです。
企業と従業員の“共育”が未来を変える
企業型DCは、企業が福利厚生の一環として制度を導入し、掛金を拠出することで従業員の資産形成を支援する仕組みです。従業員は自ら運用の主体となって資産を増やしていくことができ、企業と従業員が協力して将来の安心を築いていきます。
当機構のプランでは、加入者向けの専用サイトで動画配信による投資教育サービスを行っており、従業員の皆さんにはこれをぜひ積極的に活用していただきたいと考えています。単に掛金を拠出するだけでなく、運用力を高めることが、企業にとっては福利厚生の充実と人材定着につながり、従業員にとっては安心できる未来をつくる力となるのです。
「制度を導入するだけでなく、一緒に育てていく」――これこそが、これからの企業年金の目指すべき姿であると言えるでしょう。